数学大問1を鍛える

 埼玉県の入試は5教科それぞれ100点満点の計500点で判定されます(理数科などの一部傾斜配点を除く)。それはどこも同じだと思われるかも知れませんが、意外と地域によって満点の点数が違うんですね。埼玉も以前は40点満点の計200点満点でした。私がいた佐賀県は各教科50点満点でした。調べてみたら佐賀は今でも50点満点のようで、謎すぎるのは愛知県は22点満点だそうです。また岡山は70点満点だそうで、100点に慣れていると少々違和感がありますね。

 ここからは埼玉県での話です。入試は5教科の総合で決まりますので、それぞれの教科で少しでも多く得点できるように訓練する必要があります。数学の場合は圧倒的に大問1です。これがほとんど取れればそれだけで平均点はクリアできます。もちろん平均点だけでは足りない人もいるでしょうから、あとは大問2とか3とか4あたりで解けそうな問題を探していきます。まちがっても正解率0.5%の問題と格闘して結局解けなかった。とならないように。

 そのために大問1をできるだけ正解できるように目下鍛えているところです。通常の授業ではまだ教科書の内容が残っているので、宿題とは別に大問1だけの問題を作って渡しています。大問1だけの問題集もありますが、同じような問題の繰り返しで飽きそうなのと、取り組みたい問題が載っていなかったりと、ということでやはり私が自作します。理科や社会の自作はグラフや資料が必要なため難しいのですが、数学はいくらでも自作できます。

埼玉県公立高校入試大問1対策問題その7

 埼玉の学力検査の第1問は最初の7~8問は毎年同じ傾向です。当然正解率も高いので、このあたりは絶対に落とせない問題です。同じ大問1でも後半は年によって傾向が変わるため、いろいろなパターンの問題を用意して塾生に解かせています。

 2ヶ月くらい前に始めてこれは今日配った7回目のプリントです。現時点で習っている範囲から問題を作っています。よって三平方の定理とか円周角の問題は第10回くらいから登場すると思います。何度か書いていますがこれはすべてLaTeXという文字作成ソフトを使って作っています。数式をきれいに表示するにはこれがいちばんです。時間だけを考えたら手書きが一番早いのですが、真剣に取り組んでもらうために文字も本格的な数学の文字を使って作成します。最近ようやく図の挿入方法が分かったので(13)に習ったばかりの平行線と線分の比の問題で図を入れてみました。まあ、図は別に作る必要がありますが、図も手書きよりはこっちの方がいいでしょう。これなら普通の問題集と変わりない見栄えです。

 

埼玉県公立高校選択問題大問1対策問題その7

 こちらは選択問題用です。同じく7回目。今年も選択問題実施校を受ける塾生が数名いるようなので、選択問題に向けて作りました。こちらは通常の問題と比べると傾向らしい傾向はありません。毎年似たような問題になるのは最初の3問くらいでしょうか。ただ問題の難易度は通常問題と比べると一目瞭然です。

 数学の大問1についてはこのようなプリントを20回分くらい作って渡す予定です。自作なので解答例もすべて私が作って渡します。特に選択問題は答えだけでなく、考え方解き方も詳細に記入しています。結構な手間がかかりますが、塾生の数学の成績をあげるためならその手間は惜しみません。

中間テスト結果

 続々と中間テストの結果が判明しています。今日は中3の皆さんに学年順位を書いてもらいました。欠席した生徒を除いて10名に書いてもらいましたが、なんと10名中9名が前回(1学期期末)より5教科順位が上昇していました。あと1名も前回から1番下がっただけで、しかも中3の定期テストは3回連続で学年20番台(1学年250名ほど)ということで、上位で安定しているため心配する必要もないでしょう。

 5教科順位で一番上昇していた塾生は前回より82位も上がっていました。他の塾生たちもこれほどとは言いませんが10番、20番と上昇しているようでした。

 教科別でみると塾生の平均が学年平均と比べて最も高かったのは数学で、続いて理科でした。いつもは理科と社会を得点源、というのがうちの塾の傾向ですが今回は社会の平均が高すぎたため、社会は3番手となりました。数学は90点以上は学年で10人しかいなかったそうですが、そのうち二人がうちの塾生でした。私としては理科・社会と同じくらい数学で得点してくれた方がうれしいので、これはいい結果だといえるでしょう。ちなみにこの学年は、前回もその前の回も学年平均と比べた塾生平均でいうと数学が一番よくできています。

 成績に関係する定期テストはあと1回だけになりました。2学期期末テストはあと1ヶ月もしないでやってきます。今回の中3の成績はわりとよかったのですが、油断せずに次のテストを迎えてほしいと思います。

得点アップ表記にだまされるな

 先日塾の郵便受けに他の塾のポスティングチラシが入っていました。新聞をとる家庭も減っているのでポスティングは新聞広告に代わって今後増えていくと思います。さて、このチラシにも少し書いてありましたが得点アップの宣伝。これは表記をしっかりしないと逆効果になりかねません。

たとえば、ある塾のチラシやホームページに次のような表示があったとします。

これは私が勝手に作った文章で、さすがにここまで雑な文言はないと思いますが、いろいろなことが欠けています。それを箇条書きでまとめてみます。

・教科が不明
・比較対象が不明
・平均点が不明

個人情報については厳しい時代なので、名前を載せるのは難しいですがイニシャルとか学校名はほしいところです。

さて、まず一つ目。20点アップと書かれても国語なのか数学なのか分かりません。これは不親切すぎます。ひょっとしたら5教科での得点アップかもしれません。いずれにしても見る人が分かるように表記するべきです。

続いて二つ目。いったいいつのテストと比べているのか分かりません。通常は一つ前のテストと比べますが、その記載がないなら、ひょっとしたら入塾前のテストとか過去一番悪かった時と比べているのかとか、あらゆる疑念が生じてしまいます。

続いて三つ目。通常平均点まで書く必要はないと思いますが、得点が20点上がっても平均点も20点上がっているのならごくごく普通の結果となるし、多くはありませんが平均点が25点上がっていれば20点アップはむしろ悪い方になってしまいます。

広告を見る人が皆私のような猜疑心のかたまりのような人ばかりとは限らないので、得点アップが書いてあれば素直に信用してしまう人も多いと思います。

ちなみに偏差値なら大丈夫かというとこれもまた母集団による学力の違いなどがあるので、慎重に見極める必要があります。

と、ここまで言っておきながら、今回の中間テストの塾生の得点について前回(1学期期末)と比較した際の得点アップを掲載したいと思います。小規模塾につき学年は割愛します。また平均点は現時点で不明です。

数学 Sくん +44点
国語 Fくん +38点
理科 Nくん +36点
社会 Mくん +34点
国語 Kくん +33点
国語 Mさん +32点
国語 Nさん +31点
理科 Sくん +30点
社会 Iさん +29点
社会 Kさん +29点
社会 Tくん +29点
理科 Kさん +29点
国語 Mくん +28点
理科 Sくん +26点
英語 Aさん +25点
英語 Uさん +25点
国語 Kくん +25点
英語 Kくん +23点
国語 Nさん +23点
理科 Oくん +21点
国語 Aさん +18点
社会 Uさん +18点
社会 Nさん +18点
国語 Kさん +17点
国語 Hさん +17点
社会 Mくん +17点
理科 Mさん +17点
国語 Nくん +16点
国語 Fさん +16点
社会 Tくん +16点
理科 Fくん +16点
理科 Nさん +16点
国語 Oくん +15点

 +10点以上にしようと思いましたがかなり長くなるのでこの辺で打ち切ります。すべて前回テスト(1学期期末)との比較です。もちろん全員戸塚中生です。こうしてみると結構な数ですね。ただし前半にも書いたように、これは塾の宣伝であって素直に受け取るのは危険です。もちろん数字自体に嘘はない(あったら問題です)としても、平均点が不明ですし、そもそも上がった分しか掲載していないので、下がった分に関してはノータッチです。

 仮に下がったとしても平均点がそれ以上下がっていればそれほど気にすることもないのですが、合格実績数に代表されるように塾の広告というのはとにかく数字をよく見せようとするものです。そういうこともあってうちの塾では得点アップに関しては今まで積極的に掲載してきませんでした。今回は啓発的な意味も込めて掲載しましたが、うちのような小規模塾でもこれだけを見るとものすごく成績が上がる塾のように見えてしまいます。実際これだけ上がっているのは事実ですし、それは塾生が頑張った結果です。

 私は塾生の成績が上がるのは、塾の力は半分くらいだと思っています。残りの半分はもちろん塾生自身の力です。ですから成績が上がっているのは皆さんの努力の証でもあるのです。

中間テスト返却

 今週の月曜日と火曜日に行われた中間テストが徐々に返却されているようです。土曜日時点でまだ全教科揃っていない生徒もいますが、現時点では

 中1 
国語・英語・社会の塾生平均が80点を超えています。続いて理科ですがこの学年は人数がまだ少ないので平均点も幅が大きくなります。ただ塾生情報によると5教科とも平均点は50点~60点だったという話なので、それを信じると塾生の得点はまずまずだったといえるでしょう。

 中2
理科と社会の塾生平均が80点を超えています。社会の学年平均はそこまで高くなさそうですが塾生には90点以上が何人もいました。理科も生物全般(植物後半+ひとの体)で覚える量がかなり多い単元です。一夜漬けではどうにもならない内容ですが、当塾ではテスト前だけでなく普段から毎週理科も学習しているためある程度余裕をもってテストに臨めたようです。

 中3
中1・中2同様社会の出来がずば抜けています。聞けば学年平均も高そうです。今回は範囲が狭かったのできちんと勉強した人は高得点だったようです。塾生も約半数が90点以上でした。他の教科の塾生平均は社会以外の4教科はいずれも約70点くらいでした。

 来週あたり個表が戻ってくるでしょう。ぞれぞれの教科の学年平均や学年順位を見て、次回以降の参考にしてほしいと思います。

2学期の予定

 例年ですと4月ごろに学校の年間予定表が配られるのですが、今年はまず1学期だけの予定表、その後9月以降の予定表と2段階に分けて配られたようです。さすがに学校予定とはいえ変更の可能性もあるでしょうから、来年以降もこの方式になるかもしれません。

 さて私が知りたいのは定期テストの日程です。ざっと目を通したところ戸塚中の予定としては

10月 6日~ 水上
10月18日  体育祭
10月27日~ 中間テスト
12月 1日~ 期末テスト

となっていました。中2の水上の日程については川口市内の学校同士で日程を決めるのでしょうから毎年決まった日程ということはありません。1学期だったり夏休みだったり2学期だったりします。さすがに3学期というのは聞いたことがありません。

体育祭は昨今の猛暑から日程が変更になりました。以前は9月の第2土曜日というのが定番でしたがが、昨年から10月に変更です。例年なら今週が体育祭となりますが、さすがに暑すぎで無理でしょう。10月に変更になったのは良かったと思います。

中間テストは昨年まで10月の中旬でしたが、今年は体育祭の日程が昨年よりさらに後になったため、10月下旬となりました。それでも体育祭の代休が中間テスト1週間前です。これはなかなかハードな日程です。

中間テストの日程がずれ込んだことで、期末テストは12月になりました。2学期の期末テストが12月というのは意外と珍しいことです。11月だと中間テストとの日程が狭すぎるため範囲も狭くなります。個人的には来年以降も12月でいいと思います。

あと、中間テスト・期末テストともに月・火というのも土日を使えるので助かります。まあ実際には直前にバタバタするより早めに対策してほしいのです。2学期始まったばかりとはいえ、すでに中間テストの勉強を始めている人もいます。前日になって提出物の答えを写しまくっている人は見習ってほしいですね。

他にも合唱祭や駅伝大会や夢わーくなどもあり、2学期は行事が目白押しであっというまに年末になってしまいそうです。

夏期講習終了!

 今日で中3の夏期講習の全日程が終了しました。1日4時間で25日間。全部で100時間すべて中1からの復習に取り組みました。塾生の中には中1や中2の途中から入塾した生徒もいます。また小学校から在籍していてももう2年前のことは記憶に残っていない生徒もいるようで、改めて復習の重要性を思い知ったことだと思います。もし夏期講習を受けていない状態で2学期の北辰や入試を受けていたらと考えると恐ろしいと口にする生徒も。

 夏期講習には、授業そのものにも意味がありますが他にも意味があります。一つは継続して勉強する習慣が身につくということ。他にも入試に対する意識が高まるといった意味もあります。やはり一人で勉強するよりは周りに同じ目的で勉強する仲間がいた方が意欲も湧いてくるでしょう。しかも全員同じ中学ですからその効果は倍増です。そう考えると今年の中3も徐々にではありますが、例年通り受験生の顔に近づいてきたと言っていいでしょう。

 夏期講習期間中は25日中21回の小テストを行いました。今日は最後の小テストで社会の第6回目でした。

 かなりぼかしていますが、第6回の社会と先日行った第4回の理科です。小テストというわりには結構なボリュームです。社会も理科も重要な内容を私がリストアップして前もって渡しています。渡すだけではなかなか覚えないでしょうからこうやってテスト形式にしています。

 暗記しなければならないことは分かっていても、じゃあ何を暗記したらいいのか分からないという中学生は多いと思います。それを私が厳選しているのです。他にも英単語と国語の漢字も同様に小テストを行いました。すべて1回50問。21回なので全部で1050問です。テストごとに回収してすべて私が採点しました。つまり10000問以上採点したことになります。回収する理由は、生徒本人が丸付けするとどうしても甘くなるからです。それにまだまだ不十分な部分を私が把握するためでもあります。誤字は厳しくチェックします。誤字のせいで満点を逃したりすると、強烈に印象に残ります。その結果次から間違えないようになることも期待できます。かくいう私も数十年前の中2のころ、社会で福沢諭吉を福沢輸吉と書いてしまい満点を逃したことをいまだに親の敵のように覚えています。

 夏期講習で覚えた(思い出した)内容は、今後の北辰テストや最終的な入試にきっといきてくると思います。すでに今週スタートした学校も来週からは本格的な授業が始まります。いつまでも復習というわけにはいきません。来週からは塾でも2学期の内容を進めていくことになります。部活も終わって時間的に余裕ができるでしょうから復習も手を抜かないようにしてください。

中1基礎を鍛える

 夏休み中の授業は、中3は夏期講習で1年生からの総復習で現在半分近く終わったところです。かなり忘れているところがあるようで再確認に余念がありません。夏期講習で触れていなかったらおそらく放置したままで2学期の北辰や入試を迎えることになったところです。残り半分ありますが、まだまだ確認作業と問題演習に時間をかけていきます。

 さて、中1の場合は夏期講習という特別な時間は取っていませんが夏休みも平常通り授業を行っています。ただ学校の授業がない分、塾ではかなり時間をかけて丁寧に説明ができます。特に基本が大切な数学と英語に時間をかけています。数学は本格的に算数から数学に変わってきたころです。小6の算数と中1の数学の一番のちがいは、抽象的には諸説ありますが、単純にいうと文字式を多用するようになることだと思います。しかもこの文字式は中2でも中3でももちろん高校の数学でも使います。というか文字式の計算ができないと数学はほぼ壊滅状態になると言えるでしょう。実際、中2や中3から入塾する生徒でも文字式の計算ができない生徒はたくさんいます。

 ということで、時間があるこの時期に慎重に文字式の計算の解説しています。

 今日取り組んだ内容です。中1で学習する文字式の計算もこのあたりでほぼ終了です。タブレットや動画を見ただけで分かったつもりになっても困るので、うちの塾ではホワイトボードに書きながら説明をします。塾生もしっかりノートに書き、必要ならメモも加えていきます。昔ながらの方法ですが一番確実な方法です。タブレットや動画で劇的に成績が上がるとは思えません。実際最近の学力テストでは中学生の学力低下が話題になっていました。タブレット学習だけが原因とは思えませんが、一因ではあることは明らかでしょう。

 ついでに今日渡した宿題です。以前学習した内容を忘れたら困るので結構さかのぼって問題にしています。このあたりは自作でいくらでも対応できます。ちなみに数学の教材、特に文字式や計算や方程式は毎年私がPCで作成しています。去年の使いまわしではなく、今見ている塾生に必要なものを毎回作っています。手間はかかりますが、これで理解してくれれば手間は惜しみません。今後数学は文字式を使った関係式の作成から、中1最大の山場である(個人の感想です)一次方程式に入ります。上の学年と比べてこの学年はまだ塾生が少なめですが、塾生全員に完全に理解させたいと思います。

叡明高校甲子園出場

 塾の方は夏期講習100時間のうち16時間が終わったところです。皆さん1年生、2年生の内容をかなり忘れているらしく、貪欲に学習しています。また、ほぼ毎日実施している小テストにも真剣に取り組んでいるようです。

 さて夏のイベントと言えば高校野球(選手権大会)も欠かせません。個人的にはいまだに埼玉代表よりも高校まで住んでいた佐賀代表を応援してしまいます。その埼玉代表が今日決まりました。あまり細かいことまで詳しくなく、始まる前はいつもどおり浦和学院、花咲徳栄、昌平などの常連校か浦和実業が代表になるのかなと思っていましたが、最終的には叡明高校が埼玉代表になりました。おめでとうございます!

 全国的にはほぼ無名校だとは思いますし、埼玉県内でも前身校の方が有名かもしれませんが、これで叡名高校の名はいっきに有名になるのではないでしょうか。「えいめい」と打ってもなかなか変換されませんが、そのうち一発変換できるようになると思います。叡明高校としてスタートして約10年。最近は確約(のようなもの)の基準も年々上がっており南東部地区では人気校のひとつとなっています。

 うちの塾からも毎年のように受験する生徒がいて、ここ3年間では10名が合格しています。参考までに、叡明、浦和学院、浦和実業がそろって10名で一番多くなっています。

 ちなみに佐賀県代表はがばい旋風を巻き起こした佐賀北高校です。あれからもう18年もたつのですね。時のたつのははやいものです。わが母校、致遠館高校は今年も残念ながら初出場はなりませんでした。これまた一発変換ではなかなか出ませんが「ちえんかん」と読みます。

 ここ数年異常な暑さが続いています。選手の皆さん、応援の皆さん、スタッフの皆さん、体調に気を付けて大会を盛り上げてほしいと思います。 

2027年度入試について

 今日教育委員会から2027年入試についての追加情報が発表されました。以前から内申の扱いや面接の全校実施については発表されていましたが、それよりももっと重大な事柄です。こういうのは何度も分けてではなくまとめて発表してほしいところです。

 2027年度入試(現在の中学2年生)の県・公立高校入試は得点換算で9割がマークシートになるとのことです。残りの1割は記述式。これは数学の証明とかでしょうか。そもそも以前(40点満点の時代)は英語も社会も記号が多く、マークシートと同じような感じでしたがゆとり教育以降、学力向上をかかげて記述式の問題が年々増えてきました。

 そこでマークシートです。一気に20年以上時代が戻った感じです。理由は採点業務の軽減や迅速かつ正確な採点を実現するためだそうです。毎年どこかの県で採点ミスが発生しているので、マークシートにすれば確かに採点ミスはなくせそうです。ただ採点業務の軽減を目的にするのなら、まっさきに思いつくのは面接の廃止でしょう。今現在普通科のほとんどの高校では面接を行っていません。数分の面接で分かることなどたかが知れているからです。その時間があれば採点に時間を回したいというのが高校の先生の本音だと思います。

 ところが県の方針によって、2027年度入試からは全校で面接を実施することになりました。これも時代に逆行しています。理由は内申から消えてしまう部活などの得点を面接で補う形にしたからです。一度決めてしまった手前やっぱり面接は廃止しますと言えないでしょうから、負担軽減のためにマークシートに変更になったのでしょう。

 以前(2000年代から2010年代前半)の埼玉県の公立高校入試はかなり迷走している時期がありました。一度決めても2~3年でコロコロ仕組みを変えていた時期もありました。ここ数年は比較的落ち着いていましたが、2027年でコペルニクス的転回ともいえる変更で一気にいろいろなことが変わります。

 これにともない国語の作文も消えるそうです。あとマスコミ報道では書かれていませんが、教育委員会のホームページを見る限り、マークシート方式で選択問題も作成するようです。

 ということで来年度の入試は今年とほぼ変わりはありませんが、現中2が受ける2027年度入試では実に様々なことが変更になります。あまりにも多すぎて細かいことは割愛しますが、大きく変わる点でいうと
 学力検査の9割がマークシートになる。
 調査書から部活や生徒会、検定の評価が消える。
 全校で面接が実施される 。
 国語の入試から作文が消える。

といったところでしょうか。選択問題実施校については従来同様、英語と数学において難易度の高い問題をマークシート形式で出題されるようです。

受験者数の多い私立高校では以前からマークシート方式だったので、そこまで違和感はないと思います。むしろ生徒からしたら記述が減り、作文がなくなるということで歓迎しているかもしれません。ただその分確実に平均点は高くなるでしょう。つまりミスは許されないということです。特に難関校では1問のミスが命取りになってしまいます。

 数学に関しては、答えを選択肢から選ぶ形式と、答えの数字を直接マークする形式と併用になると思います。

第3回北辰テスト

 第3回北辰テストが近づいてきました。塾生は当日県大会がある2名以外は全員申し込みました。昨年までと申し込み方法が変わりましたが、もう3回目なのでだいぶ慣れてきました。

 当初、受験票は申し込んだ各個人で印刷することになっていました。家庭のプリンタを使うか、ない場合はコンビニで印刷。これがかなり不親切だと思っていましたが、北辰図書の方ですばやく改善してもらい、申し込んだ塾でも印刷できるようになりました。よって、家庭にプリンタがない方や、あるけど滅多に使わなくてプリンタの調子が悪いとか、コンビニでの印刷方法が難しいという方は、ご遠慮なくおっしゃってください。塾で簡単に印刷できます。

 ただこれは塾で申し込んだ場合ですので、個人で申し込んだ場合はやはり自力で印刷する必要があります。塾に行っている方は塾登録をお忘れなく。行っていない方は少々面倒ですが、自力で印刷するしか今のところ方法はなさそうです。

 あと改善してほしいのはキャンセル扱いです。例えば締切が10日だとして2日に申し込んだけど、8日にキャンセルしたいとなった場合。以前だと締切日に一括して申し込んでいたので個別に対応できましたが、現在は一度ネットで申し込むと、ネットでのキャンセルができません。北辰図書に問い合わせる必要があります。よってその手間を省くために、早めに申し込まれた場合もいったん塾で保留して締切日に一括して登録するようにしています。その方が簡単にキャンセル対応ができます。この結果申し込まれてもしばらくはマイページでは申し込んでいない状態になってしまう事態が発生します。こういうことを防ぐためにも、塾のページからキャンセルをできるようになればいいのですが。

 本来ならキャンセルはない方がいいのですが、部活の大会と試験の日が重なっている場合など、締切ギリギリまで受けられるかどうか分からないことがあるのです。電話一本ですむとはいえ、なるべく北辰図書さんの業務をふやしたくないという思いもあります。同じような電話が埼玉中の塾から殺到したら大変でしょう。

 あと現在のところ当塾では発生していませんが、退塾した生徒についてです。塾登録している生徒が退塾した場合、その後も同じ塾で申し込みを続ければ問題ないと思いますが、塾を移った場合などは再登録の必要がありそうです。大手塾などは月に10人単位での退塾・入塾があると聞きますので、これは大変そうです。このあたり初年度なので北辰図書も手探り状態だと思います。2年目3年目にはもっと使いやすくなることに期待します。

 さらにもう一つの懸念材料は私立高校の個別相談です。昨年までは紙の成績表を持参していましたが、今年からは北辰の結果は紙ではありません。すべてネットでの発表なので、スマホの画面を高校の先生に見せればOKなのか、はたまた印刷したものを持参するのか、その場合カラーなのか白黒なのか。カラーだと印刷ミスが続いたらコピー料金もばかになりません。このあたりの対応は高校によって違うと思います。