2027年度(令和9年度)からの公立入試

 先日埼玉県から2027年度(令和9年度)の実施要項が発表されました。受験の世界では〇〇年度といえば入学する時点の年度で考えます。従いまして2024年度入試と言えば現高1。2025年度入試は現中3 2026年度入試は現中2 で、タイトルの2027年度入試といえば現中1が受ける高校入試の話です。現在中3と中2の皆さんはほぼ今まで通りだとお考え下さい。

 すでに概要としては、全校で面接が行われるとか部活等の記録が消えるというものは出ていましたが、もう少し具体的に発表されました。一瞥しただけではかなり複雑な仕組みに見えますが、これは具体例がないからだと思います。学校ごとに割合などが発表されるのはまだまだだいぶ先ですので、それから現実的な話になってくるでしょう。

 今までの選抜方法は 
A 当日の得点
B 調査書
C 特別活動の記録など
D 面接(実施する高校のみ) 

Aは傾斜配点の学校を除き1教科100点満点の500点
Bはいわゆる内申点で 学校ごとに1:1:2などの比率で計算したもの
Cは生徒会とか、部活の記録とか、資格試験などを細かく点数化したもの
Dは実施する学校のみ点数化

これらをすべてたして合否を判定していました。実際にはAと(B+C)の割合を4:6とか5:5などに調整して第1次選抜、第2次選抜を行ったりとまあ複雑な仕組みです。

これがあと2年続き、2027年度からはおおざっぱに言うと上の分類からCが消えるということです。その分AとかBの点数計算が複雑になりそうですが、受験生は自分の受ける学校のみ気を付ければいいことです。

今まで、入試のために生徒会に入ったり入試のために県大会に進めそうな部活に入ったり入試のために英検の練習をするというのが、あまり意味をなさなくなるということです(これは公立の話で、私立は引き続き加点要素にはなるでしょう)

まだ実際にシミュレートしないと何とも言えませんが、これだけだと当日の点数と調査書(内申点)がものすごく重要になることがはっきりしています。面接もありますがほとんどの学校では30点ないし60点で、学校・学科によってはこれを数倍することもできますがおそらく普通科では面接の割合は小さくなると思われます。これでテストの点数をひっくり返すことが期待できるかと言ったら難しそうです。

では、部活とかクラブチームが入試においてまったく意味がないのかというとそうでもなくて、自己評価資料というものにその旨記入し(これ自体は点数化なし)、これをもとに面接で熱く語ればそれが点数として評価されるようなしくみです。また芸術系の専門学科では従来通り実技試験も行われるようです。総じて言えることは、普通科に限れば今まで以上に当日点と調査書が重要になるということです。もちろんそれは1年生の分からで、1年生から真面目に取り組んでいる生徒にとっては有利にはなっても不利にはなりません。

なお、10月11日に新たに発表された分もあるのでリンク先を貼っておきます。

こちら

※なお、膨大な資料を深く熟読したわけではありませんので、少々間違っている部分があるかもしれませんが悪しからず。