自由落下運動

さて問題です。

東京スカイツリーの最上部から10円硬貨を落下させると(もちろん現実にはできませんが)、地表まで何秒で到着するでしょう? またその時の速さは時速何kmでしょう?(ただし空気抵抗は無視します)

 中3の理科の範囲の最後あたりに自由落下がありました。理科はテスト前日で学校の授業はギリギリ終わるくらいのスピードだそうです。ということで上の問題はテストとは関係ありませんが、空いている時間に余興で出した問題です。最後にある空気抵抗は無視しますというのが理科の問題でのお約束です。中学の理科では基本的に空気抵抗や摩擦など計算の妨げになるものはすべて無視します。ただ動滑車の質量は考慮することもあります。

 ここでは高校物理の最初に習うであろう力学の基本公式を使います。詳細は省きますが、時間は約11秒、速さは時速約400kmになります。ものすごい速さですね。ただ実際にはこれほど速くはありません。それは空気抵抗が生じるからです。もし空気抵抗がなかったら、もっと高いところから降ってくる雨や雪はすさまじい速さで地球に降り注ぐことになります。

 逆に地上から上空に投げ上げる場合も同じ公式で計算できます。先ほどの時速400kmで真上に投げ上げたらスカイツリーのてっぺんまで物体は到達し、そのあと自由落下して時速400kmで地上に戻ってきます。(何度もいいますが空気抵抗は考えません)

 ちなみに大谷選手が時速100マイル(161km)でボールを投げ上げたら地上102mの地点まで上昇し、そこから落ちてきます。重力の壁とはかくも大きなものです。ロケットで宇宙に飛び立つためにはこの重力に打ち勝つだけの加速度が必要になります。